矯正治療の注意事項 Attention

矯正治療の注意事項

写真:歯科医師と話し合う様子

矯正治療を受けられる歯科医院を探す際、皆さまはどのような情報をもとに選ばれるでしょうか。多くの方にとっては初めての経験なので、選び方で悩まれる方も多いと思います。信頼できる歯科医師に出会うことが重要ではありますが、そのためには検討している歯科医師としっかり話し合い、どのような理念をもっているのか、質問に明確に答えられているか、といったことを積極的な姿勢で聞くことが大切です。考え方に共感し、長い治療期間を一緒にがんばっていけそうな歯科医師と出会えることが、矯正治療を成功させるための第一歩といえるでしょう。

治療を受ける前に
知っておきたいこと

写真:パソコンで調べものをしている人

医師選びについて

矯正治療は専門的な知識とともに、積み重ねてきた経験も治療結果に影響します。そのため、本来は矯正治療の専門性をもつ歯科医師が行なっていますが、なかには一般治療を中心に行なっている歯科医師が矯正治療を担当する例も見られます。どちらが良いということはありませんが、歯科医師の理念やこれまでの経験などを充分に見極めたうえで、歯科医師を決定することをおすすめします。

治療方針について

複数の歯科医院でカウンセリングを受けると、同じ歯列を診察したはずなのに治療方針が異なるというケースに出会うかもしれません。矯正治療の専門性をもつ歯科医師の間ではある程度の共通認識はあるものの、医師によって治療方針への見解が異なることがあります。例えば、「抜歯を要する」と言う歯科医師もいれば「抜歯は必要ない」と話す歯科医師もいるでしょう。治療前に歯科医師とよく話し合い、ご納得したうえで治療に進んでください。

カウンセリングについて

患者さまが歯科医師としっかりコミュニケーションを取れる場となるのが、カウンセリングです。患者さまはお悩みになっていることやご希望を伝えていただき、歯科医師は患者さまのご質問などにお答えし、もっとも適した治療方法などについてお話しします。疑問に思っていることがございましたら、遠慮なくお聞かせください。少しでも不安を解消して治療に臨むことで、モチベーションも高くなります。

矯正歯科Q&A

写真:Q&A

マウスピース型矯正装置(インビザライン)全般について

Q

治療できる範囲は限られますか?

A

一部の歯並びにおいて、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけによる治療が難しい場合があります。また、担当医の治療方針などによって対応できる範囲が異なります。

Q

治療中に痛みはありませんか?

A

痛みの感覚には個人差がありますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)はマルチブラケット装置よりも痛みや不快感が少ないと矯正歯科医より報告されています。

Q

年齢に制限はありますか?

A

年齢による制限はありません。永久歯が完全に生え揃っていない患者さまも、マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療が可能です。詳しくは治療を担当する矯正歯科医に直接ご相談ください。

Q

アライナー(マウスピース)を紛失してしまった場合は、どうすればよいですか?

A

アライナーを紛失してしまった場合は、すぐに担当医にご連絡ください。紛失したアライナーの代わりが届くまでの間、治療の進行状況によって1つ前の治療ステージのアライナーを装着するか、もしくは次のステージのアライナーに進むかを、担当医が判断します。

Q

通院回数や通院頻度はどのくらいですか?

A

中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)は、矯正歯科医によるアライナーの調整またはメンテナンスをほとんど必要としません。そのため、通院していただく回数はとても限られています。4~8週間に一度、または歯科医師の判断に応じて通院していただき、治療の進歩を確認します。

中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)について

Q

従来の矯正治療と比べて、中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)にはどのようなメリットがありますか?

A

矯正治療中も口腔内を健康な状態に保つことができるほか、普段どおりに近い生活を送ることが可能です。アライナーは透明で目立たず取り外しが可能なため、スポーツや吹奏楽時のトラブルなど、10代の矯正治療におけるさまざまなデメリットが軽減されます。

Q

中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)には治療対象年齢はありますか?

A

中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)には、永久歯が完全に萌出していないなど、10代の矯正治療におけるさまざまな課題点を考慮した治療システムです。矯正歯科医の判断によっては、10代以外の治療にも適用される場合があります。詳しくは矯正歯科医にご相談ください。

Q

アライナーの装着時間を守らなかった場合、治療に影響はありますか?

A

中高生用マウスピース型矯正装置(インビザライン・ティーン)には矯正歯科医の指導のもと、適切にアライナーを装着することで効果が得られます。食事と歯磨きの時間を除く、一日22時間はアライナーを装着していただきます。きちんとアライナーが装着されているかを確認できるよう、アライナーにはインジケータが設置されています。インジケータは装着時間に応じて色が青から透明へと変わっていくようデザインされているため、おおよその装着時間を確かめることができます。

矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
  • ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に2年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~1年半、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で2年半~3年を要することがあります。
  • ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
  • ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ・治療中、固定式の装置がついている歯は磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
  • ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
  • ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
  • ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
  • ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
  • ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
  • ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
  • ・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • ・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
  • ・顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
  • ・治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
  • ・加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
  • ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。

マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
  • ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
  • ・症状によっては、インビザラインで治療できないことがあります。
  • ・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
  • ・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
  • ・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
  • ・治療途中で、部分的にワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
  • ・お口の状態によっては、インビザラインに加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
  • ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
  • ・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。

薬機法において承認されていない医療機器「マウスピース型矯正装置(インビザライン)」について

当院でご提供している「インビザライン」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。

○未承認医療機器に該当

薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年4月28日最終確認)。

○入手経路等

インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。

○国内の承認医療機器等の有無

国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年4月28日最終確認)。

○諸外国における安全性等にかかわる情報

情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。

○医薬品副作用被害救済制度対象外

日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。