デジタルによる分析の重要性 Analysis

デジタルによる分析の重要性

写真:歯型のデジタルデータ

矯正治療は計画的に歯を動かしていく必要があるため、綿密な治療計画を立てなければなりません。そこで重視されるのが、患者さまの骨格や歯型の状態などを調べる精密検査です。歯科医師の経験や勘だけに頼らず、客観的なデータを用いて評価するためには、デジタルによる分析を行なうことが必要です。歯型をデジタルデータに落とし込み、それを使って歯の動く様子や治療結果をシミュレーションできるようになれば、より良質な治療が可能となります。また、今後どのように治療が進行するのかについて、患者さまもわかりやすく説明を受けられます。

デジタルによるメリット

従来の歯型取りは粘土のような印象材を使っていましたが、口腔内スキャナーとよばれるデジタル装置を使用することで、歯の細かいところまでデジタルデータとして取得し、モニター上で再現することができます。実際の歯型により近い形のデータを得ることで、綿密な治療計画を立てられます。また、事前にシミュレーションの様子を立体的なイメージで確認でき、どのような歯並びとなるのかチェックできます。必要に応じて歯並びを微調整し、治療結果に反映できます。患者さまが治療の内容についてしっかり意見を伝えられるので、治療に対する意識も高くなります。

アライナー矯正治療用分析ソフト

写真:口腔内スキャナーを取得する様子

アライナー矯正治療では、口腔内スキャナーによって取得した歯型のデータを分析ソフトに取り込みます。お顔や骨格、そして全身のバランスを考慮しながら歯根の移動を3Dのイメージでシミュレーションできます。こうしたより精度の高いシミュレーションにより、スマイルラインから見える前歯の位置や、治療を終えたあとの前歯の位置などが決定され、歯が動く予測を検討しながら治療計画を立てられます。分析ソフトはこのほかにもさまざまな応用的な機能があります。お顔に治療後の歯並びのデータを重ね合わせて確認することができ、スマイルデザインを細やかに調整できます。
矯正治療によって歯並びが変わると、舌や頬、唇などの筋肉も変わり、笑顔の雰囲気にも違いが出ます。精密なシミュレーションが可能な分析ソフトによって、より良い歯並びに仕上げます。

矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
  • ・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に2年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~1年半、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で2年半~3年を要することがあります。
  • ・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
  • ・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ・治療中、固定式の装置がついている歯は磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
  • ・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
  • ・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
  • ・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
  • ・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  • ・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
  • ・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
  • ・矯正装置を誤飲する可能性があります。
  • ・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
  • ・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • ・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
  • ・顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
  • ・治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
  • ・加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
  • ・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。

マウスピース型矯正装置(インビザラインなど)を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
  • ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
  • ・症状によっては、インビザラインで治療できないことがあります。
  • ・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
  • ・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
  • ・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
  • ・治療途中で、部分的にワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
  • ・お口の状態によっては、インビザラインに加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
  • ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
  • ・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。

薬機法において承認されていない医療機器「マウスピース型矯正装置(インビザライン)」について

当院でご提供している「インビザライン」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。

○未承認医療機器に該当

薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年4月28日最終確認)。

○入手経路等

インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。

○国内の承認医療機器等の有無

国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2023年4月28日最終確認)。

○諸外国における安全性等にかかわる情報

情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。

○医薬品副作用被害救済制度対象外

日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。

3D口腔内スキャナーを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。光学的に口腔内の印象を採得し、ディスプレイに表示して診療や患者さまへのご説明に使用したり、採得した3Dデータに基づき、マウスピース型矯正装置(インビザライン)や補綴物などの設計・製造に使用します。
  • ・3D口腔内スキャナーを使用して行なう治療、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療は、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。

アライナー矯正治療用診断ソフトのリスク・副作用

  • ・3D画像を使用して、矯正装置を作製するための治療計画を確認し、変更指示・承認・患者さまへのご説明に使用します。
  • ・アライナー矯正治療用診断ソフトを使用して行なうマウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療は、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・どの矯正医が担当しても同じ治療結果が得られるというわけではなく、必ずしもシミュレーションどおりに治療が進むというわけではありません。